ローズ・フェンス

何が悲しくて…この人の世話しなきゃいけないんですか
確かに私にはこの方に拾っていただいたっていうとっても素晴らしい事情がありますが

 ですが、その方がまさかこの世界の頂点に君臨してらっしゃる方のご子息だなんて誰が思いますか!
しかも第一皇子で、美しくて。でもたまに意地悪ですけど。

 普通ならこんな風に側にいることも出来ない方。

「皇子今日はこちらに…」

 そういって私は着替えを皇子の側まで持っていくと彼はなぜか不機嫌で

「二人のときはどうするんだっけ?」

 そう私に微笑みかけ…なんか後ろに般若でも背負ってらっしゃいます?
爽やかな笑い顔がどす黒いものに見えるのは私だけでしょうか

「何度も何度も言ってるだろう。名前でよんでくださいね」

「いやです」

 だれがよんでやるもんですか。

「命令だよ」

「呼ぶ必要があったら呼ばせていただきます。」

 いつもと同じやりとり。
私はまだ、彼の名前を呼んでない。小さかったときは呼ばせていただいてたけど流石に最近は…呼べない。

自分と彼の身分の違いがわかるようになってきたから。

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