いじっぱりなくま
あの日。

いつもみたいにぼくはくまと遊んでいたんだ。

ぼくは、今日は森の奥を探検しようと言った。

明日、お母さんがお誕生だったから、お花をあげたかったんだ。

ぼくはひとりで、どんどん進んで行った。

たくさんたくさん歩いて、奥へ奥へと進んで、そして、やっと、見つけられたんだ。
可愛らしくて、綺麗なお花を。

だけれど、お花はガケの横にあった。
少し登れば、取れそうな距離だったから、ぼくはガケを登りはじめたんだ。

もう少しで花に手が届きそうな所で、急に強い風が吹いて。

ぼくは、風に飛ばされてしまった。

「それからはなにも、おぼえていないんだ。」

「じゃあ…」

「くまはなにもわるくない。わるいのはぼくと、わるいときめつけたお母さんだ。」


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