いじっぱりなくま
そうだ。くまは今、どうしてるんだろう。

「お母さん」

「なぁに」

「くまは?」

りすくんがそう言うと、お母さんの笑顔が固まりました。
それから、りすくんに近寄って、りすくんの頭をなでてくれました。

「悪者は死んだわ。りすくんが心配することないのよ。」

りすくんは何のことかわかりませんでした。
ですから、黙ったまま考えました。
みかねたお母さんが、先にくちをひらきました

「憎いくまのことよ。」

「ちがう!」

りすくんは体を無理矢理起こしてさけびました。

「ちがう!くまはぼくがガケから落ちたのを助けてくれたんだ!じゃなきゃあ、ぼくは今ここにいないよ!!」


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