君の笑顔の傍に居させて
「……そんな……」
「何が『そんな』だ。まだ熱は大した事ないみたいだけど、後でちゃんと薬飲めよ?」
本当は顔を見て話したくて、覗き込もうとしたけど、後ろから抱き抱えてる状況だと、どうしても無理で、結果、俺は美雪の耳元で話す。
美雪の体が、ピキーン、と硬直したのが分かった。
一瞬、『そんなにこの状況が嫌なのか』と凹み、腕を緩めようとした。
けど。
斜め後ろから見えた美雪の耳と頬が、今まで見た事無い位、真っ赤なのに気付いた。