君の笑顔の傍に居させて
「じゃぁ、また。今度、それ取りに来るから」
俺は美雪が持ってるジャケットに目配せして言った。
でも、美雪から返答が無かった。
また、何か考え込んでいる。
ここ最近、こんな感じの後、何か言い掛けて止める……と言うパターンが続いてたので、今日もそうかなぁ……と思ってた。
ところが。
今日はいつもと違った。
美雪の視線は手にしていたジャケットだったけど、表情には固い決心のようなものが現われていた。