君の笑顔の傍に居させて
≪運命の悪戯≫

「うわっ、おまえ、ちゃんと換気しろよ。部屋の中、空気が濁ってるぞ」

俊夫は部屋へ入って来るなり、そう言って外気を取り入れる為、窓を開けた。



「ああ、わりぃ。……ちょっと、考え事してて……」

俺はそう言って、今、手にしていたタバコを消した。



実際には逆で、考えないようにしていた。

その為か、無意識にタバコの本数が増えていたようで、目の前の灰皿は、最初空だった筈なのに、今は溢れそうな程いっぱいになっていた。

< 195 / 379 >

この作品をシェア

pagetop