君の笑顔の傍に居させて

「……涼は、知らなかったんだ?」

「ああ」

「そう」



美雪はそう呟くと、もう一度、その場に座った。



俺は『友達と海に行って、大波に飲み込まれた』としか聞いてない。

誰かを助けた身代わり……なんて話は、俺の回りの誰も言っていないぞ?



「僚二はね、海で溺れた私を助けてくれた時に、行方不明になったの。私の代わりに……」



そんな言い方……。


< 238 / 379 >

この作品をシェア

pagetop