君の笑顔の傍に居させて

「でもね……誰も、私を責めないの。僚二のお父さんとお母さんでさえも、逆に『美雪ちゃんが無事で良かった』って、泣いて私を抱きしめて……」



そうだろうな……。

直接の原因は、溺れた美雪を助けた事ではなく、波に飲み込まれた事だ。



『僚二の幼なじみ』と言う位だから、おじさんとおばさんもきっと、実の娘のように美雪を可愛がっていたんだろう。

僚二が行方不明で辛くても、『どうして美雪だけが助かった』……と言って責める人達じゃない。

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