君の笑顔の傍に居させて

「どうして誰も、私を責めないの? あの日、私も僚二と一緒に居たのに。私だけが助かってしまったのに……僚二は、まだあの冷たい海の中に居るかもしれないのに……」

美雪は段々、また独り言の様な口調になってきた。



美雪が立った気配がしてそっちを見ると、目の焦点が合ってない表情で、美雪はノロノロと海の方へ歩き出す。



「僚二……そこに、いるんでしょ? 助けに、行かなきゃ」



4年前に心が戻っているのか?

『今』、海に入っても、僚二は助けられないんだぞっ!

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