君の笑顔の傍に居させて

「おい、涼。どうした?」

「あっ、いえ」

北野先生に声を掛けられて、俺は小走りで後を着いて行った。




「なんだ? ホッとしたのか? 嬉しそうな顔してるぞ」



あっ、マズイ。



北野先生は洞察力が鋭くて、ちょっと油断してると隠しておきたい事でも、すぐバレてしまうんだった。



「初日が無事終わりそうで、安心しました」

俺は階段を一緒に歩きながら、そう答えた。

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