君の笑顔の傍に居させて

「いや、別に。俺がシュートして見せたから、あんまりカッコよくて、動揺したんじゃないか?」


俺はそう言いながら、まだ途中だったゴールを上げた。




「そうか? ならいいけど」


俊夫は茶化さずに、そう返答した。




きっと何か言いたい事があるんだろうけど、あえて何も言わないのが俊夫らしいな……と思った。



「俺、もう仕事上がるけど、一寝したら買い出し行くから、おまえも付き合えよ」


「おぅ。居候の身分だから、荷物持ちでもなんでも、どうぞ」



俺達はそんな会話をしながら、体育館を出た。


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