謝罪人 Kyouko
「どういうことなんだ? 」
恭子の能力について、松山は興味深く聞いた。

「・・・・・・」
恭子は何も言えない。
自分自身も、どうして、そんな能力があるのか答えようがなかった。


「正直に話す訳ないか」
松山は無言の恭子を見て、わかりきったような言い方をした。

「でも、あんたの使命感ぶりを見て思ったよ。俺も記者として使命感をもって四角市の不正を暴く。二度と久美みたいな人間を作らないためにも」

松山は決意したように言う。
島田の不正を暴くことをあきらめることはしない。

恭子は、松山の強い意志を感じた。

「でも、一体誰だったのかな・・・」
松山が思い出したように言った。

「うちの社に、あんたと中居がホテルにいることを密告したのは・・・? 」

「えっ!? 」
恭子が反応した。
疑問だったことを、松山が自ら言ったからだ。







< 119 / 138 >

この作品をシェア

pagetop