謝罪人 Kyouko
恭子は、木村のオフィスに着いた。

木村は、渋い顔をしてデスクに座っている。

「市長が島田さんじゃないって、どういうことですか? 」
恭子は、木村の顔を見るなり聞いた。

「選挙には出馬していなかったようです」

「えっ!? 」
恭子がけげんな顔で言った。

「これです」
木村は新聞を差し出した。

恭子が新聞を受け取ると、小さな記事で四角市長選のことが書いてあった。
そこには、新市長の名前は書いてあったが島田ではなかった。

「これは・・・? 」
恭子が木村の顔を見た。

「インターネットで調べてみました。すると、島田さんは選挙の出馬を断念したそうです」

「どうして?」

「どうやら、愛人問題が発覚したようです。その愛人には、かなり貢いでいたらしく、そのことがマスコミによつて暴かれたようです。それがイメージダウンになって仕方なく出馬を断念したそうです」

「・・・・・・」

「恭子さんの謝罪で、島田さんの汚名返上の機会を作ったのに・・・これでは、自らチャンスを潰してしまったようなものです」

木村は呆れたように言った。












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