謝罪人 Kyouko

次の日から、恭子は就職活動を始めた。

ハローワークに出向いたり、求人雑誌を見て必死で探したが、不景気の影響でなかなか職には就けなかった。

貯金も底をつき、これからの生活に不安を抱いていた。

恭子は、ひとり暮らしのアパートで貯金通帳を見て、ため息をついた。

偶然、テレビからニュースが映っていた。

記者会見で関係者が謝罪をしている姿が映った。
そのシーンを見て、木村のことが浮かんだ。


恭子は、慌てて木村の名刺を探した。

名刺を見つけ出すと、しばらく考えた。

少し怪しい会社のような気もしたが、明日の食事代にも困る状況においては、仕事を選ぶ余裕もない。

そう思うと、携帯電話を手にして木村のオフィスに電話をした。