謝罪人 Kyouko
「気を悪くしたなら謝ります。でも、そのおかげで、あなたが謝罪人としての能力があることがわかりました」

「・・・・・・」

「あなたは、私の会社には必要な人材です。仕事を手伝ってくれませんか? 」
木村が頼むように言った。

恭子は、木村が自分の能力を高く評価してくれたことに悪い気はしなかった。

「いいわ。こちらこそ、よろしくお願いします」

恭子は、木村の行為は許せるものではなかった。だが、今は収入が欲しい。
そのため仕事をすることを決めた。

 
「さっそくですが、仕事をやってもらいます」
木村は、恭子に仕事の依頼書を手渡した。


「女性が浮気をして、男性に謝罪をする仕事です。明日の朝、その依頼書に書いてある場所に行って仕事をして下さい。くわしい内容は、そこに書いてありますので、しっかり読んでおいて下さい」

「はい」
どことなく自信なさそうに恭子は返事をした。

恭子は、不安もありながら謝罪人の仕事を始めた。





< 34 / 138 >

この作品をシェア

pagetop