謝罪人 Kyouko
「ちょつと待って」
恭子が松山を呼び止めた。

恭子は松山のことが気になった。

一度ならずも二度、自分のいる場所を探しあてた松山に対して、きっと何かを知っているはずだ。
そう思うと、危険ではあったが思い切って聞いてみようと思った。

「一体、私の何を調べているの? 」
恭子は、松山を睨むようにして、強い口調で聞いた。

どんな答えが返ってくるかわからなかったが、恭子は出たところ勝負だと思った。

「あんたは、どうやら違うようだ」
松山は自分で納得したように、あっさりと答えた。

「島田や中居とは、どういう関係なのかは知らないが気をつけたほうがいい」
松山が注意深く言った。

「どういうこと・・・? 」
恭子が興味深く聞いた。

「自分達の利益のために、あんたのことを利用しているかもしれない・・・」
松山が真顔で言った。

「・・・・・・」

恭子は、松山が自分の職業を知っているような発言をしたので、一瞬、動揺して言葉が出なかった。










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