謝罪人 Kyouko
車道を走っている車が、ゆっくりと松山の方に近づく。
ヘットライトの光で、松山は目を細めた。

歩道沿いにいる松山のそばに、車が止まった。

「やまちゃん」
運転席の女が、助手席の窓を開けて親しげに松山を呼んだ。

松山は、女に返事をするように右手をあげて合図をした。

「正直、俺は、あんたのことは、どこの人間で何をしているのかもわかっていない。あんたは地元の人間じゃないなら、俺が追っている事件には関係していないようだ」

「・・・・・・」
恭子は、松山の言っていることを半信半疑で聞いた。
そのため、冷ややかな目で見返している。










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