ロボットの見る夢
俺は彼女の手を握った。

「今日から友だちだから。」

温かい手。まるで生きているようだ。

「米沢くん、手が冷たいよ」

「へ?」

プロトタイプと量産型の違いだろうか。

俺の身体には温さがない。

「血行がよくないの?冷え症かな?」

「そ、そうかも~(;゜Д゜)」

俺ははぐらかして手を離した。

危ない危ない。

相手の感情に訴えかけるテクニックは失敗だ。
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