もしも僕に。


電話越しに榎月が慌てているのが想像出来てクスクスと笑みがこぼれた。

「それで、どうしたの?」

「今から美雪んち行く〜!」

時刻は7時過ぎ。
まだ親は帰って来てないけど8時には帰ってくる筈だ。

「うん。無理」

「えぇ!?冷たっ」

榎月が、らしくない。
いつもなら調子乗んなとか言い返してくるのに。

「大丈夫?今どこ?」

「駅裏の公園〜」

「分かった。今行くから待ってて」

もぅ。調子狂うなぁ。
私はパーカーを一枚羽織り玄関を出た。



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