もしも僕に。


「俺酔ってないからぁ」

分かりやすいウソだ。

「だいたいなんでお酒なんで飲んでんの!ましてやこんな公園でさ!バレたら停学だよ!?へたすりゃ退学なっちゃうかもしんないんだよ!?」

そこまで言うと榎月は黙り込んでしまった。

酔っているとはいえこんなに大きな声を出したんだ。

多少は酔いが覚めるだろう。


「………………」

榎月は何も言わずベンチを立って足を進めた。

「え?ちょっと!何処行くの!」

「……………」

私が呼び止めても聞こえてないかのように歩く。

仕方なく私は追いかけた。



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