もしも僕に。



榎月はどこか目的地があるわけではなく、ただ、黙々と歩いていた。

私は時間の無駄だと思い榎月の手首を掴み無理矢理足を止めさせた。

「あのさぁ───」

「ごめん」

「………………え?」

「ごめん」

「なに?どうしたの?」

「………家まで送る」

「え…うん……」


今は甘えることにした。
ちょっと榎月が心配だった。



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