もしも僕に。


「美雪、うるさい」

「‥?」

私は何が?と思い、榎月の方に顔を向けた。

「1人でブツブツ、うるさい」

そんなうるさかったかな。

「ごめんごめん」

「いつも何見てんだよ」

「ん〜?‥鳥だよ」

「鳥?」

「そう、鳥。」

「なんで鳥なんか──『藤井、今村。うるさいぞ』


社会の先生が私たちを睨んだ。


「すいませーん」

榎月が軽く謝るところを私は何も言わずまた窓の外に目を向けた。



_
< 4 / 85 >

この作品をシェア

pagetop