【完】ひとつ屋根の下で。
『オ カ サ レ タ』
「初めてのことで、最初は何も理解出来ず、『義母さん?』と何度も尋ねた」
菜々子のうごめく手。
中学生の俺には、その知識は十分過ぎるくらいあった。
「怖かった。怖くて怖くて、だけど叫べなくて……されるがままに受け入れた。」
そして菜々子には、ある性癖があった。
毎日毎日、犯す度に俺の右肩に噛み付く、そんな性癖が。
「まるで俺の心共々傷付けるように毎日毎日…。いくら、人間の女の力が弱くとも、毎日の積み重ね。いつしか、俺の右肩には菜々子の歯形がくっきりと消えなくなっていた」
今でも、そして、これからも消えない、汚ならしい、傷痕。