【完】ひとつ屋根の下で。
なんだこの手は。まだユーレイが出るには早くね?



アタシが振り返るとそこにいたのは。



「それ、俺の、シーフード味」



短髪の黒髪、黒淵眼鏡。顔はハーフみたいな整ったパーツ。



しかしイチバン印象的なのは、灰色掛かった翡翠の色の宝石。



それが瞳だと気付くまで、少し時間がかる程に、それは美しい。



「アンタ、同居人のヒカルって人でしょ?いいじゃん1個くらい。ちょーだいよ」



アタシは振り払う為に腕に力を込めるが、細腕のクセしてすっげー力強い。



アタシはおもいっきり睨みを利かせた。そうすりゃ、男だろうが女だろうが怯むのは知っていたし。



「なんだその顔。ぶっさいく」



「は?カップ麺くらいで腹立つわ」



こんな奴と同居なんて、確かに続かない。



真人間なら、ね。



アタシはフツーじゃないから我慢出来るけど?絡まなきゃいいだけだし。
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