【完】ひとつ屋根の下で。
アタシは先にリビングに出て、ソファーの下に乱雑に散らばった衣服を着る。
そして、トースターにパンを2枚セットし、コーヒーを沸かす。
少し遅れて、ヒカルがケツをかきながら部屋から出て来て、大きな欠伸をすると、ソファーに腰を下ろす。
「ヒカル、トースト、マーガリン?ジャム?」
「ジャムー」
単語だけのアタシ達の会話に、自分で笑いつつ、アタシは冷蔵庫からジャムを取り出し、ちゃぶ台に、コーヒーと一緒に持って行く。
ヒカルは、ジャムを満遍なく塗って、薄い唇にそれを運んだ。
アタシもヘラを借りて、同じようにして食べる。
もちろん、ヒカルみたいに、べっちゃりジャムは塗らないけど。