【完】ひとつ屋根の下で。
「ねぇ、苺」



「ん?」



ヒカルは、パンをもしゃもしゃと食べながらアタシを向く。



やっぱりモノ食ってる時のヒカルは、キリンみたいだ。



なんて下らないことを思いながら顔を見ると、神妙な面持ち。



「あの、さ……アンタが嫌じゃなかったら、今度からも俺と、夜、寝てくれない、か?」



そう言ったヒカルは、やっぱりまだ何かに怯えてるようだ。



昨日一晩で、長い間のトラウマが完全に治る筈ないか。



だけど、アタシのことを頼ってくれてるんだ。



だったら、アタシもその気持ちに応えていこう。



恋愛感情とは確定しきれない、不思議なものだけど。



だけど、確かに、アタシはヒカルを愛してるから。
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