【完】ひとつ屋根の下で。
「ね、苺。しばらくこのまま、アンタの瞳見せて」



「ん。いい、けど」



見つめ合い、優しい翡翠色だけが視界に広がる。



「キレーな目。苺の目は、真ん丸で、真っ直ぐ過ぎて、キレー」



「いやいや。アンタの方がキレーだろ。こんな瞳、ヒカルにしか似合わないよ」



そう。この世界の何よりも綺麗な、翡翠色の瞳は、ヒカルの両親の愛の証。



この短すぎてハネた黒い髪の毛も、彫刻みたいな顔も、ダビデ像みたいな体も。



全部、ぜーんぶ二人の愛の証なんだよ。



そう思うと、なんだか、優しい気持ちになって、泣きそうになる。
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