【完】ひとつ屋根の下で。
「お気付きかと思いますが、それが、輝さんです」
島本さんも、紅茶を一口含み、言葉を選ぶように、考えながら、話を進めていく。
「その存在を知った姉は、絶望に伏せて、己と、輝さんと、レベッカさんを呪った。その時から、もうおかしくなっていたのかもしれませんね」
自嘲気味に微笑む島本さんが、とても淋しげに映る。
「輝久さんの書斎からレベッカさんの顔写真が出る度にマーカで黒く塗り潰し、笑っていたのを覚えています。彼女が貴方を生んで亡くなったと聞いたとき、荒れ狂うように喜んでいました」
苦しそうに、時に涙を堪えるように歯を食いしばる島本さん。
組まれた手は震え、彼女も被害者なのかもしれない、と思えた。
島本さんも、紅茶を一口含み、言葉を選ぶように、考えながら、話を進めていく。
「その存在を知った姉は、絶望に伏せて、己と、輝さんと、レベッカさんを呪った。その時から、もうおかしくなっていたのかもしれませんね」
自嘲気味に微笑む島本さんが、とても淋しげに映る。
「輝久さんの書斎からレベッカさんの顔写真が出る度にマーカで黒く塗り潰し、笑っていたのを覚えています。彼女が貴方を生んで亡くなったと聞いたとき、荒れ狂うように喜んでいました」
苦しそうに、時に涙を堪えるように歯を食いしばる島本さん。
組まれた手は震え、彼女も被害者なのかもしれない、と思えた。