【完】ひとつ屋根の下で。
全ての荷物がまとまり、お腹が空いた頃。



ぼろいドアが、キィっ、と小さく開く音がした。



「お帰り、ヒカル。今日は早かったね」



「ただいま。アンタこそ、早かったね」



ヒカルはのそのそと進み、ソファーにどかっと座った。アタシも隣に座る。



「苺、どうかした?」



「んー?なんで?別に」



出来るだけ、平然を装いアタシは喋る。



「なんか、いつもより甘えん坊だなーと思っただけ」



そう言い、アタシの肩にもたれ掛かるヒカル。



「アンタはいつも甘えすぎ。べたべたしつこい」



「黙れ。苺は、もっと甘えれば?」



ばーかヒカル。最後だもん。甘えさせてよな。



心の中で呟いて、アタシもヒカルの頭に寄り掛かった。
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