【完】ひとつ屋根の下で。
「なんか俺、今アンタの愛に抱かれたい気分」



ボソッとヒカルが呟いた。



「ナニソレ、下ネタ?エロヒカル」



「うん。下ネタ。悪い?」



真顔だけど、優しく目の前で煌めく翡翠色の瞳。



その瞳に、アタシが抵抗出来るわけないじゃん。ばーか。



「って、んな!?ヒカル?」



ヒカルは、おもむろに、アタシの体を抱き抱え、自室のドアを開けた。



ベッドに降ろされると、漂うヒカルの香りに涙が出る。



「何で泣いてるの?意味不明」



「いや、ヒカルの香りに安心したからだよ、ばーかばーか。ムカつく」



目の前の、彫刻みたいな綺麗な顔は優しく緩む。



そして、その顔はゆっくり、ゆっくりと近づいた。
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