【完】ひとつ屋根の下で。
「たまには外に出てみる?」



ヒカルから、唐突にそんなことが告げられる。



こいつだって、年中引きこもり男、の、筈……。



「あー、今また余計なこと考えたろ。顔がぶっさいく」



「うっせー。自分が綺麗だからって、少しは黙れよ」



ヒカルは、アタシの返事に柔らかく微笑むと、頭を軽くぽん、と叩いて来た。



「出れる格好してきて、今すぐ」



「はいはい。わーったよ」



そういえば、ヒカルと外出したのなんて、ヒカルの父さんの墓に行ったときぐらいだったな。
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