【完】ひとつ屋根の下で。
「おい、何やってんの?アンタは」



「別に…。そっちこそ、こんな時間なんだから寝れば?」



アタシを覗く、翡翠色の瞳から気持ちが読み取れなくて何故だかヒヤヒヤする。



「俺、夜は寝ない人なの。それよりアンタは何やってんだって聞いてんの。」



「や……別に。ちょっと飲み過ぎて立てないだけだから」




アタシが答えるとヒカルの瞳の色が深まった気がする。



そして、無造作にアタシに近づいて来た。



そっと伸ばされた手に無意識のうちに体がびくつく。



「ウソツキ。なんかあったんじゃん?それにアンタ、未成年なんだろ?マシな嘘つけよ。全然酒くさくないんだけど」



ヒカルの声の優しさにびっくりしたのと同時に、ヒカルに優しく撫でられ更にびっくりする。
< 26 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop