【完】ひとつ屋根の下で。
アタシは挨拶代わりに適当に頭を下げる。



「俺らは一階の住人だよ」



「ちなみに、元々俺はヒカルと同居してたんだけど、部屋の空きがあった大祐んとこに避難したの」



ヘースケがうげぇっと舌を出して、大祐の後ろに隠れた。



ガキと大人の大学生。組み合わせとしては相性良さげな二人組。



「おい!飯出来たから席着け」



紫苑さんの声に、4人掛けのテーブルが2つ引っ付いた席に着く。



アタシは一番端っこに座り、隣にベリーショートの女の子が座った。



「ふーん、確かにヒカルさんの嫌がらせも平気でかわしそうな感じ。心強そー」



「はあ……それはどうも」



「私、橋本睦実。隣のこいつが和田香里奈。ちなみにお隣りの部屋の住人。よろしくね」



アタシは差し出された手を握り、なんとなく自己紹介をした。
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