【完】ひとつ屋根の下で。
花火の音とイチゴ味。
「んー……」



今日も仕事で疲れて、アタシは重たい体をズリズリと引きずり、家路につく。



「ただいまー」



小さな声で言ってドアを開くと、ビール片手にケツを掻くヒカル。下品だよ、全く。何回注意したって治す気がない。



「お帰り、苺」



相変わらず無愛想だけど、これがヒカルの優しい声色ってのも最近分かるようになってきた。



「あれ苺、何かあった?いつもより、ぶっさいくだけど」



そして、ヒカルは、私の変化にすぐ気付く。



実は今日、アタシは仕事のミスをしてしまった。



武安おじさんは気にするなって言ったけど、なんかもやもや。



仕事にも慣れてきたつもりだったし、初歩的過ぎて、不甲斐ない。そんなミス。
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