【完】ひとつ屋根の下で。
「ああ、私はここの管理人の西條紫苑。よろしく」



アタシの意図を感じて答えたのは、30代後半くらいの涼しい顔立ちの女性。



小麦色の肌に、すらりと伸びた手足。面倒見よさそうな笑顔に、故郷の孤児院の姉ちゃんを思い出す。



「今日からお世話になります。神尾苺です。」



「苺、か!まあ、今日から頑張れや!」



バシバシアタシの背中を叩く管理人さん。細腕のわりに、力がある。背中いてー。



「さあ行こうか、地獄のヒカルルームへ!」



管理人さんはアタシの腕をぐいぐい引っ張り階段を上がる。



一体どんな部屋だからこんな言われようなんだ?



アタシ、やっぱりちゃんと下見すべきだったかな。……ま、いっか。
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