【完】ひとつ屋根の下で。
「みぞれも美味いでしょ?」



ヒカルの、抑揚はあまりないけど、優しい声が花火の音に混じってアタシに降り注ぐ。



「ん。甘い。美味しいよ」



シャリっと氷を噛み締めると、甘い甘いみぞれ味。



「俺は、イチゴ味の方が好きかもしれない」



ヒカルは、アタシの袋から漏れる溶けたかき氷のシロップを舐めた。



その舌が、ツツっと動く。なんか、エロい。



「……あれ?アンタ、そういう反応もするんだね。意外。」



顔が熱いアタシに向かって、ヒカルが鼻で笑う。



「か……からかってんのかよ?」



「別に。アンタ、そういう顔は可愛いじゃん」



その台詞と共に、次の瞬間。
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