【完】ひとつ屋根の下で。
やっぱり、意味わかんねー。



ヒカルは、アタシをどう思ってるからキスするんだろう。



痺れるように甘くて、熱いイチゴ味。



アタシはこの気持ちに溺れてはイケナイ。警告の鐘が脳裏に響く。



「自分の気持ちが分からない。だけど苺、アンタは他の女とは違う。絶対的に」



ヒカルに強く抱きしめられて、落ちた二つのかき氷。



相変わらず大きな爆音を放っている花火。



アタシはヒカルの意外と広い胸板に包まれた。



「アタシもわかんねー。だけど、好き、かも」



「かも……ね。俺もかも、かな。だけど特別に、間違いない」



穏やかな顔のヒカルが、更にアタシを強く抱きしめた。



固くて、あったかくて、仄かに甘い胸板に、顔が埋まる。
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