【完】ひとつ屋根の下で。
ヒカルと、初めてしたキスは、イチゴとみぞれの混ざった、至極最高に、甘い味。
抱きしめられた腕の中は、花火みたいに、力強くて、だけど儚く脆い。
ヒカル、いくら考えても、馬鹿なアタシには、わかんねー。
心の真ん中が、触れ合う体温みたいにあったかい。
その真ん中からぽろぽろって溢れ出る感覚は、なんなんだ、一体。
「苺、今の顔、最高にぶっさいくだよ」
「うわ、うざっ。サイテー」
アタシが唇を尖らせると、ヒカルはぷぷっと噴き出した。
無邪気に、珍しく、綺麗な顔をくしゃ、と歪めて。
「うーそ。アンタは可愛い部類だよ。なんかリスみたいじゃん」
……ばかヒカル。下げた後上げんな。ずっこい奴。