その声でいつか


性格悪いなんて怒らないで?



『俺、知ってるよ?

…伊川くんの秘密』



あの時本当はわざと図書室行ったって言ったら、やっぱり幻滅されんのかな。

でもチャンスは掴まなきゃ勿体ないじゃん、全部掴んで手に入れなきゃ。



『楓って伊川君の何なんだろうね』



例えばそれがどんなズルい方法だとしても、欲しくて仕方ないんだよね、


その視線も
その唇も
その小さな手も
その柔らかそうな身体も


その声も





全部、欲しい。



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