嘲笑う僕。
きっかけ
きっかけは簡単な事だった。
私に冷たすぎる周りを見返してやりたかった。それだけ。
デブだとかブスだとか、がり勉だとか。
言われたこと全てを二度と言われないような身なりと態度に変えた。
落ち着きの無かった黒髪は少し明るくして巻いたし、化粧っ気ひとつ無かったなんて思わせないくらいにファンデーションから付け睫まで完璧にキメたし、内向的だった性格も無理矢理張り付けた笑みでどうにか社交的に装った。
本気で笑うと引き笑いになるから本気で笑わないようにして、勉強は人前でしないようにして、洋服も明るい色選んだり露出したり。
ただそれから世の中は怖いくらい順風満帆になって、幸せだったんだ。多分
その頃だけは見返したくて頑張ったなんて忘れてたんだ。きっと
でも、私を変えた元凶との再開を皮切りに私の人生はまた荒んだ
忘れかけてた恐怖と憎しみが鮮明に蘇って、私は同じことが繰り返されないうちに手を打った
言葉巧みにおだてて喜ばせて。いっきに絶望に叩き落とす。一応人間の脳みそを持つ私には鶏サイズの脳みそを操ることは造作もなかった
そして知ってしまった
人を思いのままコントロールして喜ばせて叩き落とす
それがどんなに楽しいかを。