シックスラブ
「俺のせいかよ」
「そうだよ」
酔いは覚めてないのか、咲の顔は赤みが増している。
「あんたが気付かせちゃったから、別れたんだよね」
「……はぁ?」
「あたし、彼氏のことあんま好きじゃなかった訳ですよ。それ気付かせちゃったじゃん」
「……やっぱそうなんじゃねェかよ」
お前は彼氏が嫌い。
間違ってなかったじゃねぇか。
「体ばっかりだったのアイツ」
「……ふーん」
「だから男ってさいってー」
「…そうだな」
「…もう、いらない……」
「…………」
「こんなんだったらもう男なんていらない」
その時のアイツの顔はあまりにも泣きそうで、俺は何も言えなかった。
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