人形遊び
†第2章†
□   □

この死体達には共通な点が2ヶ所あった。
1つは首が360度回っている事。
もう1つは…
月曜日の深夜2:00に殺害される事。
今日は月曜日。
今は深夜1:30。
確実に犯行は行われる。
M「そろそろ行くか」
見回りをする事にした。
歩いていると2:00を回った。
するといきなり
ドサッ
上から何かが落ちてきた。
M「―――ッ―――ッ―――ッ」
目の前に現れたのはあの変死体だった。
M「―――ッ遅かったか」
呟いた時だった。
不思議な音が聞えてきた。
オルゴールだろうか…
心の奥に響くような...
悲しいオルゴールの音。
K「クレイジードールは・・・泣いた」
何処からとも無く聞える声。
M「誰だ!!」
手元にあるライトで辺りを照らす。
K「真っ赤な薔薇を抱いて―」
M「――――――ッ」
息を潜め声のする方へ歩いていく。
K「クレイジードールは・・・笑った」
声が聞えるのは壁の裏。
K「真っ赤な首を抱いて――」
M「誰だ!!」
壁に向かってライトを当てる。
そこには首が360度回った人形と…
血文字があった。
其処には―――
“人形と在ったら逃げましょう。
次の獲物は貴方です”
という事が書かれていた。
声は人形の腹の中。
中を探るとテープレコーダーが入っていた。
指紋は一切付いていなかった。
M「こいつも4年前の殺人犯か――」
悪寒がする。
脳裏に浮かぶ赤い文字。
“嘘つき”
M「ウッ…ゴホゴホッ」
思い出すと吐き気がする。
4年前のあの事件はお蔵入りになった。
証拠が出なかったのだ。
子供も小さくて証言出来なかった。
その子に俺は言った。
“大丈夫。ちゃんと捕まえてやる”
しかし調査は打ち切りになった。
その子は施設に入れられた。
その後の音さとは知らない。
しかし俺は、2年前にその子と会った。
その子は人形を抱いて歩いていた。
そして俺に一言。
“嘘つき”
それだけ言って去っていった。

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