星に願いを


「だから?」


「え」


「じゃあ、私はどうしたらいいわけ?」


綾香さんの問いかけに、ちょっと焦った。


「あなたの気持ちは分かった。拓哉が本当に好きなことも・・」


財布から千円札を出す。


「でも、私は諦めない。あなたが優輝くん以外の他の人は好きになるのはいいけど・・・優輝くんに似てる拓哉には荷が重すぎない?拓哉も今、そのことで悩んでるんじゃない?」


何も言い返せない。


いや、何も言えないんだ。


「私だって、5年間拓哉が好きなの。私の気持ち・・あなたなら分かるでしょ?」


千円札をテーブルに置き、綾香さんは帰っていった。


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