女の子のカラダ。


「…人気者?あたしが?」

え?っとよく意味が掴めていないあたしをよそに高遠くんはいつもみたいに優しい笑顔だった。

「うん!人気者!」

自転車をこぐ高遠君を後ろから眺めていた。

広くて大きな背中。裾をあげてハンドルを持つ高遠くんの腕はこんがり焼けている。

あたしは服のすそをちょっと摘むように掴んだ。



「あたし、人気者じゃないよ?」

人気者ってあたしが?なんで?

人気者っていうのは高遠君みたいになんでもできて信頼も熱くて
みんなから親しまれて…そんな人が人気者なのに。



「人気者じゃん?たまに小松が告られているの見るし、男子からの評判とかよく聞くし。なんていうかモテモテだよなぁって。」



………―ズキン、と。心に矢が刺さったようなそんな感覚だ。

それは違うよ。高遠君。


その人たちはあたし自身が好きなわけじゃない。


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