女の子のカラダ。


あたしの胸が好きなだけで。あたし自身を見てるわけじゃない。
物心つくころからコンプレックスだったこの胸が今は本当に大嫌い。

もうあんな思いしたくない。

そんなこと、前から知ってたのに。
こんな形で実感したくなかったのに…

高遠君の言葉はさりげなくあたしを傷つけた。

「…やめてよ…違う…違うよ…
そんなの違う…聞きたくない。そんな話」

ふいに下を向いてしまう。


その話題はもういいよ…

……もう分かってる。


「え?なんで?」

なんで?と言う高遠くんにちょっといらついてしまった。

なんで?はこっちだし。
面白がっていってるの?…かと思ったけど、高遠くんを見ると本当に分かっていないようで、意味がつかめていない様子だった。


この人もしかして、超鈍感だったりする?


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