アキバ特捜部!? 犬インフルぱにっく
ヨースケとユイは、

《てんめい》のことは触れずに、

5Fの事務所の関係者と告げると、

保健所の職員は、

インフルの症状がないことを確認し、

直ちに帰宅し、今後1週間、

自宅からなるべく外出しないように言うと、

住所の記入を求めた。

「そんな、会社が潰れちまうよ!」

見ると、ビルの他の事業者たちも

同じことを言われているようで、

あちこちで、職員に抗議している。

「ヒトゴトじゃなくなってきたな」

ミキがパーカーにTシャツ、

ジーンズといういつもの姿に着替えて

いつの間にか降りてきていた。

「ごめん、アタシ、

 店にいかなくちゃ。

 あっちも心配だし」

ユイは例によって

バイトの出勤前だったらしく、

あわただしくヨースケに言った。

「ナッちゃんは

 ウチらで探すよ」

ユイは真剣な目で

ヨースケを見て頷くと、

踵を返して駆けて行った。
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