籠目 籠目
辺りに注意し、慎重に歩く。

誰にも目を
つけられなかったと思う。

何とか家に帰れた。
力がぬける。

今でもあいつが俺を
裏切った事を思いだすと、
怒りがこみ上がってくる。


あんなに愛していたのに。

俺は怒りでふて寝した。
殺人の罪悪感なんか
全くなかった。

全てあいつが悪い――。
当然の報いだと思っていた。
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