籠目 籠目
苦し…………。








苦しさで目が覚めた。

誰かの手が、
俺の首を絞めている。
由美だ。
顔は髪で見えなかったけれど、直感でそう思った。


智也「山……田……!」


しかし、隣で寝ていたはずの
山田はいない。

このままでは由美に
殺される……!
そう思うと、
力がこみ上がってきて
由美の手を
振り払うことができた。


(逃げ………!)

そう思った隙に、
また由美が襲いかかる。


由美を力いっぱい突き飛ばす。由美がよろめいた隙に、
俺はマンションから
出ていった。
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