籠目 籠目


俺の席の前の女の子が
教室に入って来て鞄を
机の上に置いた。

鞄には銀色のキーホルダーが
付いていた。
そのキーホルダーは
俺を映した。
まるで鏡のように。
そのキーホルダーに映っている俺の後ろには、


由美。

もちろん、
俺との距離を縮めている。
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