籠目 籠目
突然の雨にタクシーの
利用者が多く、
30分待ってやっと
タクシーが来た。

タクシーのドアが開く。

タクシーに乗る。

その時、何も考えて
なかったせいで、
うっかり車のミラーを
見てしまった。

くっきり鮮明に映る俺の
後ろにはもちろん
由美―――。

智也「山田!あそこ!鏡!」

山田「鏡が何?」

智也「見えるだろうが!
俺が映ってる後ろ!」

山田「何も見えないし、
振り返っても後ろには
何にもないけど?」

智也「あぁ……
また近づいてくる…怖い…」

山田「幻覚だって。」
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